第7章 Dawn２８.彼と彼

イタチはリンを抱き寄せ、彼女の顔を自分の胸に埋めた。


鼬｢リン…｣


そして、優しくリンの身体を腕で包み込む。


鼬｢もう一人で抱え込むな｣


リンは頷き、イタチの服をギュッと掴んだ。


鼬｢お前は一人じゃない｣


リンはゆっくり顔を上げ、涙を浮かべた瞳でイタチを見つめた。


鼬｢俺がいる｣

鈴｢……イタチ…さん…っ｣


リンはまた涙を流す。

すると、イタチは微笑みながら彼女の涙を拭った。


鼬｢マダラは必ず帰ってくる。それまで…俺を頼ってくれないか？｣


リンの紫の瞳から溢れ出る雫。

リンは何も言わず肩を震わせ、泣いていた。


鼬｢今まで…つらかったな…｣


イタチはそんな彼女をまた優しく抱きしめる。




佐｢………｣


玄関の外でドア越しに聞こえてくる会話と嗚咽。

サスケは透明で綺麗な水の入ったペットボトルを入れたビニール袋を下に置き、ドアに背中をつけ、腕組みして立っている。

唯一、サスケは兄の"本当の想い"に気付いていた………


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