【NARUTO】Break&Peace ⑵【うちはオビト】
第6章 Dawn27.幻と桜
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玄関の前まで走ってきたリン。
だが、まだ客人の姿は見えない。
鈴「よかったぁ…」
息を切らしながらも、ホッと安心して我が家へ入った。
買ってきたものをしまい、一通り準備が整うと、ベランダの隣にある備え付けの小窓を開けた。
真ん丸い太陽がサンサンと空気を暖かくしている。
やはり空は晴れだ。
鈴「ほらね。やっぱり帰ってきた」
リンは微笑んだ。
ーー…リン…
鈴「はい。待ってます…オビトさん」
"彼"が自分を呼んだ気がして返事をした。
オビトが姿を消してからもうすぐ2年。
リンは一人でいくつもの季節を過ごした。
さーっと温かい風が頬を優しく撫でる。
いつも隣にいてくれた、愛おしい"彼"のようにーー…
リンは青空を眺める。
ピンポーン
玄関からインターホンの音が聞こえた。
鈴「はぁーい」
立ち上がり、リビングを後にする。
小さな窓の下にある棚の上の写真。
大切に飾っていた"暁"みんなが写る写真のそばに、薄ピンクの花びらが一枚落ちる。
また、桜が舞い、華やかで儚くも美しい季節がやってきた………
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