第6章 Dawn２７.幻と桜

屈強な忍がまたニヤリと笑う。


｢ありがたくその輪廻眼！いただくぜ！｣


彼が合図すると、リンの背後にいた忍二人のうちの一人が襲いかかってきた。

リンはスッとしゃがんでそれをかわすと、持っていた荷物を置き、素早く印を組む。


鈴｢火遁:紅桜(ﾍﾞﾆｻﾞｸﾗ)！｣


彼女の右手が赤い炎に覆われ、それを横になぎ払うと、火の玉がいくつも飛び出した。


｢ぐわ！｣


火の玉が後ろにいたもう一人の忍の肩に当たり、地面に這いつくばりながらうめき声をあげた。


｢やるなぁ…。さすが元"暁"｣


屈強な男は他人事のように感嘆の声をこぼす。

リンはそのまま踵を返し、屈強な男とその子分に向かって行きながらポケットに手を突っ込んだ。


鈴｢！！｣

鈴(やばい！今私、銃もってないんだ！)


リンはクッと歯を食いしばると、また印を組んだ。


鈴｢風遁:風網！｣



ビュッ



風が蜘蛛の巣状の形を作った。

物凄いスピードで二人の身体を捕らえ、動きを封じる。



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