第5章 Dawn２６.寂寥と哀愁

鈴｢だから……帰ってきて…っ｣


写真立てを握りしめながらうつむいて泣き出すリン。

涙が写真にポタリと落ちた。

リンはそれを見て、落ちた涙を写真から指で拭う。


鈴｢はぁ…っ。ダメダメ。朝から何泣いてるの…｣


リンは泣くのをやめ、パンパンと頬を両手で叩く。


鈴｢よし！今日は久しぶりにお客さんが来るんだから！しっかりしなくちゃ｣


写真立てを戻し、引き出しに手紙をしまったリンは寝室から出た。


リビングには、カーペットの上に大きめのソファーと小さめのガラステーブル、そして液晶テレビが置いてある。

リビングのすぐ横にはベランダに繋がる窓。

キッチンは部屋の奥にあり、その前にダイニングテーブルがある。


鈴｢今日は快晴ね！｣


リンは窓の前でうーんと大きく伸びをして時計を見た。


鈴｢やば！もうこんな時間！？午後からお客さん来るのに何も買ってない！｣


時計はちょうど１１時を指している。


鈴｢買い物行かなきゃ！｣


リンは大きなバッグをひったくり、バタバタと出て行った………


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