【WIND BREAKER:®️指定】My friend
第3章 私だけの貴方
幼馴染が自分の事を好きだった。
おかしいと思われるかもしれないけど、そんな可能性なんて本当に考えていなかった。
季節はもう秋から冬になろうとしていた。
いつきに告白した十亀は、相変わらず気が向いたらいつきの家に来る。
今までの十亀と違うのは、明らかにその好意を隠さなくなった。
キスをしてくる頻度も多くなった。
今までは本当にたまに触れるだけのキスは、明らかに情欲を帯びたキスになった。
いつきの家に来るたびに、十亀はいつきにキスをする。
今まで気を遣って触れることさえしなかった体を思いきり抱き締めて、何度も何度も唇を押し付けた。
「ん……条……。」
たまに息をするのも苦しくて、いつきは十亀の顔を抑えて顔を離す位だった。
「いつき…もうちょっと……。」
一度放った欲は簡単には治まらない。
十亀は嫌がるいつきの体を掴んで、自分がしたい様にいつきの体を抱きしめる。
十亀にとっては全然足りなかった。
キスも、背中に回している手も、もっと違う動きが出来るはずだった。
もっといつきを押さえつけて、唇だけで無く、いつきの全てにキスをしたい。
「…はぁ……。」
十亀は深く息を吐いて、自分のキスを受けているいつきを目を薄っすら開けて見た。
十亀にキスをされて、同じ様に高揚して顔を赤らめているいつきの顔が見える。
その顔を見て、十亀の下半身が痛いほど疼いた。
目の前のいつきをどう扱いたいか、本能が十亀に教えてくれる。
でもそう想像は出来るのに、十亀もまたそれ以上いつきに出来なかった。