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私の陽だまりくん(前編)【WIND BREAKAR】

第16章 夏休み2



打ち寄せる波の音。
白い砂浜。
容赦なく照りつける夏の日差し。

「暑い‥」

私は今、日傘を差しながらとある海岸にいる。

今日はビーチフラッグ大会の開催日。
先日、お店に来た常連さんから貰った参加券を見せるとはじめは大喜びで。すぐに参加を決めた。

私が、どうせなら皆で‥と提案すると早速声を掛けてくれて。今日は柊と椿、ことは、新入生6人が来る。

さらに商店街の福引で、はじめが一等の海に併設された民宿の宿泊券を当てたのでそちらも兼ねて皆で遊びに行く事になったのだ。

各自、大会が開催される海で待ち合わせ。
私は椿とことはと一緒に既に到着して、男性陣の到着を待っている所。

はじめは、ここに来る前に寄る所があると言っていたので遅くなるだろう。暫く待っていると、向こうから柊と新入生5人がやって来るのが見えた。

「柊、おはよう!こっち〜」

私が手を振ると、柊もこちらに手を上げて答える。

「おぅ、待たせたな。」

そう言った柊の後ろには新入生達。

オセロみたいな配色の髪に綺麗なオッドアイの、桜遥(さくら はるか)くん。

金髪にそばかすが特徴的でお洒落な、楡井秋彦(にれい あきひこ)くん。

中華風の装いに眼帯。爽やかな笑顔が特徴的な、蘇枋隼飛(すおう はやと)くん。

複数のヘアピンでまとめたピンクの髪。両耳や口元、眉尻のピアスが特徴の、桐生三輝(きりゅう みつき)くん。

ボリュームのあるオレンジの髪に、額に巻いたタオル。筋肉質な体型に関西弁の、柘浦大河(つげうら たいが)くん。

彼らもボウフウリン。そして、今お店周辺の見回りをしてくれている子達で、お店の常連さんでもある。

「皆もおはよう!」

私が挨拶すると頭を下げたり、各々挨拶を返してくれる。

「あとは、はじめと‥杉下くんかな?」

新入生達の中に杉下くんの姿が無かったので、また何かはじめのお手伝いをしてくれているのだろう。

「‥梅宮はまた遅刻か?」

そう言って、溜息をつく柊に私が苦笑しながら頷いた時。

「おーい!おはよう〜!」

大声でこちらに叫びながら手を振って歩いて来るはじめと、何やら大きな荷物を抱えた杉下くんの姿が見えた。

「おせーよ!!」

悪いな!と、謝るはじめに浴びせられた全員からのブーイングに、私はクスリと笑いながら呟いた。

「‥やっぱり皆一緒だと楽しいね。」




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