私の陽だまりくん(前編)【WIND BREAKAR】
第14章 稽古と嫉妬
何とか自我を取り戻した。
けど。
いつまで経っても、自身の魅力を自覚してくれないひまりに思い通りにならない子供みたいなもどかしい気持ちが募るばかりで。
俺の中で1つ、理性の糸が切れる。
我慢していた理性。
‥それがひまりの首筋に残した独占欲の痕。
見る度に感じる何とも言えない背徳感。
まだまだこんなものじゃ済まないが。
今はもう、説教だけにしておこう。
すっかり反省してしょんぼりしているひまりに免じて自分を押さえた。
後日、俺の思惑に気付いたひまりの表情(かお)。
ようやく分かってくれたようで。
少し悔しそうに、むくれた顔が可愛い。
‥欲を出すのも悪くないな。
あんな表情(かお)が見られるなら。
たまにはこんな自分も‥アリだ。