私の陽だまりくん(前編)【WIND BREAKAR】
第12章 再出発・動き出す恋
「わぁ‥!可愛い‥!!」
はじめがくれた袋に入っていたのは、向日葵の花のイヤリング。私の大好きな花。デザインも私好みで凄く可愛いかった。
嬉しくて早速、両耳に付ける私。
はじめも私の反応に嬉しそうにしながら、プレゼントを開けていて。
「お〜!!いいな、コレ!」
と言いながら、ブレスレットを腕に付ける。
そしてお互いに顔を見合わせて。
「「似合ってる!!」」
と、笑い合った私達。‥バカップルって、きっとこういう事。
ふと気が付くと、そんな私達をいつの間にか花火を終えた子供達と施設長がニヤニヤと見ていて。恥ずかしくて、慌ててお互いに離れた。
それから散々冷やかしを浴びた後。皆で片付けをして、私とはじめは園を出た。ポトスまでの道のりは2人で楽しく会話していたらあっという間で。名残り惜しいけれど私は、お店の前ではじめと繋いでいた手を離した。
「‥送ってくれてありがとう。今日、凄く楽しかった。」
そう言って、着ていたはじめの上着を脱いで返そうと伸ばした手。その手を急に引き寄せられて‥抱きしめられた。
「は、‥はじめ?」
‥本日2回目のハグは心臓に悪過ぎて。ドキドキする胸が痛い。はじめは、顔を真っ赤にして身動きが取れずに硬直する私を楽しそうに見下ろしてくる。
「‥顔、真っ赤だな〜?」
「‥っ〜!もう!恥ずかしいから‥!あんまり見ないで!」
まんまと昼間の仕返しを受けた私は、両手で自分の真っ赤になった顔を隠した。
すると、私を抱きしめていたはじめが腕の力を緩めて‥今度は顔を隠している私の両手を優しく掴んで下ろした。
‥遮る物が何も無くなった私の両頬に触れたはじめの両手に全身の力が抜け、自然とはじめを見上げる私。見上げたと同時にゆっくり近付くはじめの顔に自然と瞼が閉じていく。お互いの鼻先が触れた後、私の唇に触れた‥はじめの唇。
ー初めてのキス。
‥唇から伝わる心地良い熱に、頭がふわふわしていて数秒だったのか数分だったのかは分からない。やがて、触れていたはじめの唇がゆっくりと離れるのを確認した私は目を開けた。
目を開けると、照れ臭そうな顔で私を見つめるはじめが。
「‥俺も楽しかった!あと‥ドキドキした!」
と、私の頬を両手で包んだままそう言ってとても優しく笑うから。その笑顔に見事完敗した私は‥ただ静かに微笑む事しか出来なかった。