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私の陽だまりくん(前編)【WIND BREAKAR】

第2章 はじめとわたし1



私とはじめが出会ったのは5歳の時。

私の両親が営んでいた喫茶店ポトス。

美味しそうにお店自慢のオムライスを食べる、陽だまりみたいな幸せいっぱいの3人家族。

その中に"君"はいた。

垂れ目がちな優しい目元が笑うと無邪気で可愛いくて眩しくて‥。

私は幼いながらにも君に一目で惹かれてしまった。

ーまるで童話の中の王子様とお姫様みたいな‥突然の恋の始まり。

厨房からこっそり覗いていたら目が合って、顔を真っ赤にした私に君は一瞬キョトンとしたけどニコっと笑いかけてくれて‥

恥ずかしくて母の後ろでずっとモジモジしてたのを憶えてる。

"また会いたい"
そう思った私は‥勇気を出して。

「‥また来てね。」

と、帰り際の君に声を掛けた。

私の言葉に君は満面の笑顔で。

「うん!俺、この店のオムライス大好きだから!お父さんとお母さんとずーっと来るよ!」

って言ってくれた。

嬉しくて自己紹介したっけ。笑

「わたし、陽丘ひまり。‥キミは?」
「オレは梅宮一!(うめみや はじめ)」

「よろしくね、はじめくん!」
「よろしくな、ひまり!」

"毎週末の約束!!"

指切りしてバイバイしたこの日から始まった、私の密かな恋。

この頃の私達は、まだ幼くて何も知らない‥無邪気で幸せいっぱいの自由な王子様とお姫様だった。

それから言葉どおり君はお店の常連になって。お互いの家族との交流も増えてあっという間に仲良しになった。同じ小学校にも通えて毎日が楽しかった。

でも‥
ある日突然、君がお店に来なくなった事をきっかけに、お互いの身に起きた様々な出来事によって私達の未来は。

‥ここから大きく変わる事になるのだ。
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