第3章 escada
sideつばき
原因を最初から分かっていたとしてもそれを涼太に最初から伝えられたのかと聞かれたらそれはよくわからない。
撮られて、見られて、笑われていたなんてことを涼太に言いたくなかった。
気持ち悪いって思われてしまうんじゃないかって怖かった。
だけど、今のこの状態で隠していたって、涼太を傷つけるだけで何も解決しない。
あたしは涼太が大好きで、涼太に大切にしてもらってる。
涼太はあんな男とは全然違うってちゃんと頭では理解できてるから…
まだすぐに解決はしないかもしれないけどあたしも諦めないってことを涼太に伝えた。
「つばき、治療辛くない?」
「うん。先生が女医さんだし、すごくいい先生だから……」
「辛かったっスね。でも、何度も言うけど、手術とか入院とか体がどうこうじゃなかったことは本当によかった」
涼太はあたしの体の問題かもしれないってことを本当に心配してくれていて、何度も何度も体が無事でよかったって言ってくれた。
経験とダブらせて体が反応しないあたしのことを一切責めなかった
「これだけは、絶対約束。治療が辛いときは無理しないで休む、体が反応しなくても謝らない。いい?絶対っスよ」
「涼太……ありがとうっ……」
ごめんなさいって本当は思ってる
少しでも早く良くなりたいって思ってる
だけど、涼太も先生もあたしの気持ちを最優先してくれている。
「それから、寝室もつばきが落ち着けるように、全部変えよ。別にSEXするしないじゃなくて、寝るところは女の人の好きにさせてあげた方がいいって聞いたんス」
「え、でもここ涼太のお家なのに、涼太の寝心地が良くなかったら疲れ取れないよ」
「俺は、隣につばきがいてくれればめちゃくちゃ熟睡できる。
………つばきが毎日一緒に寝てくれたらいいなって思ってるんだけど……どうっスか?」
毎日一緒に寝るって……
それって一緒に暮らさなきゃ無理なような…
…え?
これって…?
そういう意味なの?
でも違ったらすっごい恥ずかしい
「なんか返事欲しいんスけど……」
「え…あのっ……返事……うん。返事する。するんだけど…」
いきなりのことに頭がついていかない。
自分の解釈で間違ってないのか、どう言えばいいんだろ……