第12章 真実
まゆみと別れてから数週間が過ぎていた。
その後、まゆみからは一切連絡は来なくなった。
季節はもう12月になっていた。
街は煌めくクリスマス一色になっていた。
綺麗なイルミネーションやクリスマスツリーなどが飾られている。
いつになく、みんな浮足立っているように感じたのは僕だけだろうか。
その間、僕と千尋は実に濃密な時間を過ごしていた。
千尋と一緒に居るととても心も身体も満たされ癒されるのだ。
もう、千尋無しでは生きてゆけないとさえ思うようになっていた。
僕たちは時間を見ては愛し合い交じり合った。
その時間は言い知れない程の幸福感に満たされていた。
僕の道徳観や倫理観はどこに行ってしまったのだろう。
どこか遥か遠くへと吹き飛んでしまった様だった。
もう罪悪感など必要がなかった。
僕は、千尋と結婚したいと思うようになっていった。
僕の年齢だと結婚は早すぎると思う人もいるかもしれない。
でも、千尋を他の男に取られたくないと思うようになっていた。
僕は、千尋の父であるエディに僕たちの関係を打ち明けようと思った。
真実を話したら引き離されるかも知れない。
でも、真実をエディに知らせたかった。
僕はエディの事を自分の父親だとは思っていない。