第11章 まゆみ
僕もすかさず、手を振って見せる。
「お待たせ。ちょっと遅れちゃってごめんね」
「いや、僕も今来たところだから大丈夫さ。行こうか」
僕たちは駅前にある上島珈琲店に入っていった。
店内に入ると珈琲の良い香りが漂っていた。
とりあえず2階席へと向かう。
2階席の窓際に席を取ってまゆみを座らせた。
「まゆみは何飲む?」
「え?買ってきてくれるのかしら?」
「あぁ、僕が買ってくるから欲しい物を言ってくれないか」
「わかったわ、私、カフェラテでいいわ」
「わかった、僕も同じのにするからそこで待っててくれ」
「ええ、よろしくね」
僕はその言葉を聞くと1階に降りてカフェラテを2つ注文した。
店員がカフェラテを2つ作ってくれる。
それを、トレーに載せて2階のまゆみの席まで持っていった。
「お待たせ、カフェラテだよ」
「ありがとう、拓海さん」
僕はまゆみにカフェラテを渡すと席に着いた。
窓から駅の方を見ると沢山の人たちが駅前で溢れかえっていた。
みんな、どこに行くのだろうか。
僕は、そんな事を考えていた。
「で、今日は何の相談なの?」