第9章 セックス
まゆみと付き合い始めて約3週間が経っていた。
奥手の僕は、まだまゆみとキスすらしていなかった。
このまま何もなく終わるのだろうか。
そんな不安が頭をよぎる。
まゆみの事はもちろん好きだ。
でも、千尋の事も気になっていた。
僕はなんて優柔不断なのだろう。
自分で自分が嫌になる。
千尋を諦めたくてまゆみと付き合い始めたのだ。
そんな気持ちをまゆみには知られたくなかった。
僕は自分がズルいと思った。
まだ、千尋に対する想いが僕にはある。
その想いを何とかしなくてはいけなかった。
僕は早くまゆみとセックスをしなくてはいけないと思っていた。
まゆみとセックスをすれば、千尋の事を諦められるかも知れないと思ったのだ。
何と安易な考えだろう。
こんな気持ちをまゆみには知られたくなかった。
そんな事を考えている間に、またまゆみと会うことになった。
まゆみは僕の事を気に入ってくれているみたいだ。
僕のどこが良いのか分からなかったが。
それはそれで素直に嬉しいと感じた僕だった。