第5章 相談
誠は当たり前のようにそう話すとまたビールを飲んだ。
「そうなのか?」
「あぁ、そうだよ」
「誠は灯里ちゃんのことを愛しているのか?」
「え?そんな事決まってるだろ」
誠はそう言うとまたニヤケて見せる。
僕には信じられない世界だった。
兄妹同士でセックスするなんて。
あり得ないと思っていた。
だが、自分も千尋を求めているではないか。
それは、事実だった。
飲み屋は益々人が溢れかえり混雑してきた。
僕たちの会話など聞いている人はいないと思った。
僕は誠の話を聞いてどうしたらいいのだろう。
そんなことをぼんやりと考えていた。
キンキンに冷えていたビールはかなり生ぬるくなっていた。