第5章 相談
そう思ったのは言うまでもない。
そんな誠と今夜職場の直ぐ側にある飲み屋に行くことになった。
千尋には「今夜は夕飯はいらないから」と携帯からLINEで送って知らせておいた。
ちょっとむくれて怒っている様な絵文字のLINEの返事が来た。
僕はその返事を読むとちょっと笑ってしまった。
誠と僕は、職場から本当に直ぐ近くにある飲み屋街へと向かった。
そこは5階建てくらいのビルで地下1階から3階にかけて飲み屋が入っていた。
4階はカラオケ屋になっている。
その地下1階の昭和レトロな雰囲気の飲み屋に僕たちは入っていった。
「いらっしゃいませ!!」
威勢のいい声で出迎えてくれる。
僕たちは4人掛けのテーブルに通された。
やけに人が多く感じる。
考えてみれば今日は金曜日だった。
飲み屋が混んでいてもおかしくはない。
おしぼりを持ち店員がオーダーを取りに来た。
「誠、何飲む?」
「俺か?ビールだな」
「じゃ、僕もビールでいいよ」
そのことを店員に伝えるとオーダー用の端末にそれを打ち込んでいた。
それが終わると別の客のテーブルにオーダーを取りに行く。
ビールが来るまでちょっと長く感じた。
ようやくビールが運ばれてくる。