第4章 恋
僕が千尋と同居を始めてから2か月が過ぎていた。
季節は鬱陶しい梅雨が明けて夏を迎えていた。
今年の夏は以前にもまして暑さを感じる夏だった。
外に出るとジリジリと熱で身体を焼かれる様な暑さだ。
その暑さのせいか、女性の肌の露出度も高くなっている様な気がした。
それは、世間の女性だけではなかった。
千尋も例外ではない。
いつもミニのキャミソールにデニムの短パン姿だった。
千尋は働いてはいない。
いつも家に居て家事をこなしてくれていた。
家事だけではない。
千尋はヨガ教室や茶道や書道に生け花などの教室にも通っていたのだ。
本当は日本の大学に通うのが良いのだろうが、千尋はそれを望まなかった。
何かにつけては「お兄ちゃんと一緒にいたい」を繰り返している。
何故、そんなに僕に執着するのかも分からなかった。
そんな千尋を僕は段々と可愛いと感じるようになっていた。
事実、千尋はとても可愛いのだ。
これで、血が繋がっていなければ何も問題などなかった。
血が繋がっていることが問題だった。
僕は知らず知らずのうちに千尋を好きになっていった。
これは、由々しき問題だった。
実の兄妹なのだ。