第2章 閉じ込められた生活
私はここに来てから1ヶ月が経った。ある程度のことは少しずつ慣れてきた。まず直哉さんの部屋に一緒に住んでいる事。彼が望んだ時は私は身体を許さないといけない事。最近は…強く私を自分の物だと確認させてくる事。私は部屋で毎日飲んでる避妊薬を取り出し、飲みながら禪院家に来てからの1ヶ月間を振り返っていた。
「……………………んっ」
コップを女中に渡し髪を綺麗に梳かし着物を着せてもらった。
「今日もお着物お似合いです。直哉様が選んでくれてるそうですよ。」
こんな私にも女中はついた。戦えない術式だが直哉さんが任務や訓練で傷ついた時などには私は重宝したからだ。禪院家は女性の扱いが酷いとわかっていたが、弱くなければ術式を持つ人間に対しては割と評価していたのだ。反転術式を持つ私は呪力量がすごくそれを認められていた。
女中が部屋から出ようとすると入れ違いで直哉さんがきた。
「直哉様、桜潤様失礼致します。」
「早ようどきや」
女中は深く頭を下げると部屋の戸を閉め歩いて行った。
「桜潤ちゃん、今日も美人さんやん。顔も美人さんやけどこの綺麗な髪の毛が着物を似合わせてるねんな。やっぱり俺が選んだ着物似合うてる。」
彼はそんな事を言うと私の頭を撫でながら甘い声で話した。正直そんな彼の事を嫌いではなかった。ただなぜそんなに私に執着を示すのかはわからなかった。
「ありがとうございます。直哉さんのお陰です。」
「桜潤ちゃん、何回も言うとるやろ?敬語とそのさん付け要らんねん。そんな堅くしないでくれん?せめて直哉くんって呼んでみ。」
「………直哉くん……」
彼はパッと笑顔になりながら喜んだ。私の髪を撫でながら彼は言う。
「ほら言えたやん。そっちの方がかわええよ。あとはその敬語も無くして行こな」
「はい…………いや……うん……直哉くん……」
「ん。桜潤ちゃんだけは俺のもんなんやから、もっと素直でいてや、」
「……ありがとう、」
彼は私のおでこにキスをした。
「今日も任務やから、1人にさせるけどいい子で居てな。もし必要な物とか本とか暇つぶしが欲しいんやったら女中に言えばええから。あと他のおっさんや兄貴どもがきても応えたらあかんよ。ええか?」
「うん……わかった。」