第8章 day5 緑谷出久
胸に与えられる刺激だけでも気をやってしまいそうだったのに
無意識に擦り合わせていた足の間に滑り込まされる手
指先がショーツをなぞるとくちゅくちゅと恥ずかしい音が聞こえてきた
「僕のをいきなり挿れたら痛いんですよね‥‥まずは指で‥慣らす‥」
独り言をつぶやくようにぶつぶつと話しながら
下着の上をすりすりと撫で付けていた指先が入り口でぴたりと止まった
「痛かったらすぐに止めます‥無理しないで‥教えてください‥」
そう言うとそのままつぷりと指がナカに入ってきた
ナカの壁を優しく擦りながら動かされる指
『はぁ‥あっ‥‥いたく‥‥ないからっ‥‥だいじょ‥ぶ‥だからっ‥』
もどかしい程優しくゆるゆると動かされる指に焦らされて身体の疼きが増していく
「すごい‥濡れてますね‥‥嬉しいです‥っ」
『んぅっ‥‥ん‥っ』
優しい瞳の奥にギラリと光る欲望を押さえつけて
ねっとりとしたキスが繰り返される
指がギリギリまで引き抜かれて
また時間をかけて奥まで挿れられる
その度にぐちゅ‥ぐちゅ‥と恥ずかしい音がなってますます体温が上がっていく
ゆっくりの方が
こんなにも恥ずかしいんだ
『もうっ‥みどりやくん‥‥きて‥っ‥‥おねが‥っ』
初めて相澤先生と身体を重ね合わせたあの日よりも優しい手つきに焦らされながらゆっくりと深い快楽を刻み込まれる
「っ‥そんな可愛いことばっかり言うのはズルいです‥っ‥」
そう言うとさっきよりも少しだけ激しいキスが角度を変えて何度も交わされる
『ずる‥い‥のは‥‥みどりやくん‥のほう‥っ』
あんなに子供みたいに目をキラキラさせて
あんなに少年みたいな可愛い顔してたのに
『ず‥るい‥っ』
緑色の大きな瞳は吸い込まれそうなほど綺麗で
優しいこの手にどうしようもなく乱されてみたいと思ってしまう
個性は私の思考すら乱して
奪っていく
『はやく‥‥っ‥みどりやくんが‥‥欲しい‥っ』
個性にかかったあの日から
何人もの人達に助けられて
身体を重ね合わせてもらって
段々と薄れていくものだと思っていた個性は
なんだか段々と強くなっていっている気がして少し怖くなる