第8章 day5 緑谷出久
緑谷side
ずっとずっと我慢していた
この個性はとても強力なものだから
先生の事を傷付けてしまいそうで怖かった
個性の熱で息が苦しくなって
早く楽になりたくて頭はクラクラしたけど
本当に大好きな人の事を大切にしたかったから死ぬ気で我慢していた
のに
先生の柔らかな唇が僕の唇に触れて
何かがぷつんと切れたような気がした
2度目に重ねられた唇
身体の中で何かが爆発したんじゃないかと思うくらい体温は異常なほどに上がっていって
うるさい程の鼓動と
焦がれるほどの疼きに先生の身体をベッドに組み敷いた
早く
先生が
欲しくて
たまらない
僕とおんなじくらい熱い肌に口付けを落とすと先生の身体がぴくんと揺れる
「先生‥‥ごめんなさい‥‥」
今度は僕から
ぎこちなく唇を重ね合わせて
柔らかな口内に舌を割り込ませる
絡み合う舌は想像以上に気持ちが良くてゾクゾクと身体が震える
初めての快楽におかしくなりそうで
僕1人で舞い上がってないか先生の顔を見ると
気持ち良さそうに細められた目からうるりと涙が滲んでいた
真っ赤に染まった頬
キスの度に身体が反応して僕1人で舞い上がってるんじゃないと教えてくれる
今日という日を迎えるにあたって
沢山勉強をしてきた
女性の身体
どうすれば気持ちよくなってもらえるのか
個性で仕方のない事だとしても
こんなにも好きになった人の事を
大切に、とても大切に抱きたかったから
『んっ‥んぅ‥っ‥みど‥り‥や‥くっ‥』
苦しそうに息をする先生の服を脱がせていく
僕の腰に発現した印と同様
ふわりと大きな白い胸に浮かぶピンク色の薔薇
まだまだくっきり浮かび上がる薔薇の花を舌先でなぞる
「肌が白いから薔薇の花がよく目立ちますね‥‥真っ白で‥すべすべで‥」
『みどりやっ‥くん‥っ』
「身体が反応しちゃうんですね‥可愛いな‥‥」
『先に‥みどりやくんを‥っ‥楽に‥‥っ』
「先生の事ずっと好きだったんです」
真っ白なシーツに溶け込みそうなほど白くて透き通りそうなきめ細かな肌に口付けを何度も落とす