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【R18】僕のヒーローアカデミア 薔薇と棘

第15章 day11 切島鋭児郎


切島side



3人で仲良くたこ焼きを食べる時間は突然のサイレンによって突如終わりを告げた




「もう動きよったんか‥切島くん、いくで!」




「はい!」




「ヒーリングガールは後から来る救護隊と一緒に現場近くで待機!くれぐれも無茶な真似はせーへんように!その身体にひとつでも傷付けたらファットさんが許さへんで!」




『はいっ‥!2人とも、無事に帰ってきてください!』




先生が心配そうに俺の手を両手できゅっと包み込む





「任せとき!ほな行ってくるわ!」




颯爽と駆け出すファットに続き事務所から駆け出した





想定よりも多いヴィランに苦戦を強いられる事になり
先生の元へ運ばれていくヒーローもどんどんと増えていった




先生もあんな事があってからのハードな任務で疲れているに違いない




出来るだけ心配も負担もかけたくなくて無我夢中でヴィランと対峙していると

硬化で強化した体を突き破る程の衝撃に
気付けば頭や身体に生暖かい血が流れる





がくりと膝をつくと視界が歪む






「クソっ‥‥あとちょっと‥」




膝に手をつき

立ちあがろうとした俺の前に黄色の服が靡く






「待たせたな切島くん!1人でここまでようやった!」






そう言うと最後の1人になったヴィランを拘束して
いつもの調子でニカッと笑う




「その傷‥ここはもうええからすぐにちゃんとこいっといで」





「すんませんっ‥」





「なんも謝るような事はないで!むしろほんま助かったわ!」




グッと親指を立ててくれるファットに頭を下げて
ゆっくりと立ち上がり救護場所の方へ歩いて行く




『切島くんっ‥‥血がっ‥』





遠くの方から俺を見つけるなり駆け寄ってきて
その小さな身体で俺の身体を支えるのように腕を首の後ろに回す



「俺‥歩けるんで大丈夫です!」



『大丈夫だよっ!もう着くから‥私にもたれかかっててね』




ぐっと距離がさらに近くなって
先生の甘い香りに心臓がどくりと跳ねる




救護場所につき
ストレッチャーに身体を横たえると


剥き出しになっている肌に少し冷たい指先がそっと触れる




そして
治療の為にそっと唇が傷口に重ねられた
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