第13章 day10 morning ホークス
ホークスさんの事務所で一日お世話になって
目を覚ます
あれからホークスさんはヒーロー活動をする為に出ていったけれど
何度も様子を見に戻ってきてくれたり
事務所のみんなもとっても優しくしてくれた
身体の怠さはまだ少し残っていたけれど
ずいぶん元気になって小さく伸びをして立ち上がる
外はまだぼんやりと暗くて
ホークスさんもまだ眠っていた
起こさないようにそっと部屋を出て
辺りをキョロキョロ見渡していると夜勤のサイドキッカーさんが声をかけてくれた
「ヒーリングガール!どうされました?」
『あの‥キッチンってありますか?』
「ありますけど‥朝食なら僕達が用意しますよ!ゆっくりしててください!」
『い‥いえっ‥皆さんがよかったら私が作ってもいいですか?せめてものお礼に‥』
「えっ?!いやっ‥そんなっ‥憧れのヒーリングガールにご飯作ってもらえるなんて嬉しすぎますけど‥さすがに無理はさせられませんっ」
『私はもうすっかり元気なので‥ご迷惑でなければお願いしますっ!』
「迷惑だなんてとんでもない!!嬉しすぎます!ありがとうございますっ!」
『よかった‥!じゃあお借りしますね!』
居住スペースの奥にあるキッチンはきれいに整理整頓されていて
いつも皆さんが使われているエプロンを貸してもらった
「じゃあ僕達見回りに行ってきます!冷蔵庫のものはなんでも使ってもらって大丈夫です!」
「俺っ‥ヒーリングガールの手料理食べれるなんて‥死ぬほど嬉しいっす‥エプロン姿もマジで神っす‥‥」
『ありがとうございますっ!精一杯頑張りますので、気をつけて行ってきてくださいね!』
「「ーっ!か‥可愛い‥‥」」
敬礼してくれる皆さんを見送って
冷蔵庫のドアを開ける
鶏肉に玉ねぎ たまご
じゃがいもに人参
キャベツ
バター
使えそうなものを取り出して
早速朝ごはんの準備にかかる
ここ数日の事はあまり覚えていないけれど
聞き取りにきてくれた警察の人の話によると
私は薬を飲まされていたみたいで
昨日もうなされていた私をホークスさんがずっと様子を見てくれていたらしい
細かく切った玉ねぎをバターで炒めながら
昨夜の記憶を思い起こそうとすると何故か身体が熱くなった