第2章 茉莉花の香り/蘇芳 隼飛
私には、好きな人がいた。
家も近所で、幼なじみで、中学までは一緒だった蘇芳隼飛。
中学を卒業してから数ヶ月があっという間に過ぎて行き、いつも一緒にいた隼飛とは疎遠になっていた。
恋人同士では無かったし、私のただの片思いだったから、LINEの交換もしていなかった。
隼飛は風鈴高校に行ったと言うのは、本人から直接聞いていた。
──会いたいな、話たいな···元気にしてるかな···?
そんな思いばかりが胸を駆け巡る。
けれども、私の会いたい気持ちとは裏腹に、時は悪戯に隼飛との再会を果たしたのである。
*
それは、とある日の事─···。
生理前、私は妙にムラムラしていて、両親が居ない事を良いことに、自分の部屋に戻るや否やベッドを背に体を預けて、胸をやんわりと揉みながら、パンツに指を走らせた。
「んんっ♡はぁ···」
妄想するのは隼飛との事情だ。
もちろんそんな事は隼飛とはした事はないけれど、隼飛ぶに触れられていると思うだけで、じわりと愛液が膣からとろりと溢れるのを感じて、私は更に興奮した。
セーラー服のファスナーを下げて、ブラを緩めて直接乳房を揉んで、乳首をきゅっとつまんだ。
そのままコリコリと弄れば、お腹の奥がきゅんと熱を持つ。
「ん、は、やとっ···あっ♡」
パンツの上から、クリトリスを指先でスコスコと刺激すれば、たまらなく気持ちが良くて、直接触れたくてパンツを脱げば、クロッチ部分は愛液でぐっしょり濡れていた。
見られている訳でも無いのに恥ずかしくて、私はパンツを見なかった事にして自分の隣へとほおった。
──くちゅっ♡
「はぁん、んっ、ゃぁっ、あっ♡」
割れ目に指を這わせて、愛液を掬ってクリトリスに直接塗り込むようにしてクリクリと擦れば、甘い快感が体を走り抜ける。
──隼飛、隼飛、隼飛···。
隼飛の事で頭がいっぱいになる。
おかしいくらいに自慰に没頭していたと思う。
だから、気が付かなかった。
まさか隼飛本人が、私の部屋の前にいたなんて。