第4章 紐
「あったわ。とても可愛らしい生地よ」
「それは、良かったね」
そう二人は話すと笑ったのだ。
愛犬マロンはそんな二人の会話をダイニングテーブルの下で聞いていた。
二人は夕飯を食べ終わると片づけをした。
和樹は夕飯の片付けも時々手伝ってくれたのだった。
そして、またバスルームに行ってバスタブにお湯を張り始めた。
お湯がバスタブに溜まってゆく心地よい水の流れる音が部屋に響いていた。
「じゃ、俺先に風呂入るから」
「ええ、わかったわ」
そう言い終えると和樹はバスルームへと消えていった。
サチはベッドルームに行きベッドメイクをした。
暫くすると和樹がお風呂から上がってきてリビングでビールを飲んでいた。
「じゃ、私も入ってくるわ」
「ああ、わかった」
そう言うとサチもバスルームへと消えていった。
サチはバスタブに浸かりながら今夜はどんなセックスができるだろうか。
と、考えていた。
サチの性欲は衰えることを知らなかったのだ。
サチはお風呂から上がると新しく買ってもらった長めのピンクのキャミソールを着てローブを羽織った。
キッチンに行くと冷蔵庫からビールを出してリビングで和樹と飲み始めた。