第3章 手錠
最近、和樹はネットであるものを探していた。
そのあるものとは「手錠」だった。
もちろん本物ではない。
ちょっとしたオモチャの手錠だった。
ネットで探していると欲しい手錠が見つかった。
和樹はそれを買うとサチに見つからないように会社宛てに配送してもらったのだった。
サチは手錠のことなど何も知らなかった。
この日もサチは朝早くから家事をこなした。
そして、愛犬マロンと散歩に出かけた。
マロンはまだ1歳になったばかりで元気ハツラツだった。
毎日のようにマロンはサチの自宅からセンター南駅までを散歩したのだ。
サチもこの散歩は良い運動になると思い続けていた。
サチは毎日とても充実していて楽しいと感じていた。
和樹と結婚して良かったと思っていたのだ。
和樹とのセックスの相性もとても良かったのだ。
和樹はとても真面目な性格で、仕事もちゃんとやっていて毎月お給料も全額サチに渡してくれていた。
サチはそのお給料から和樹にお小遣いと生活費、車のローン、家賃に貯金などをしていた。
サチはやりくり上手だったのだ。