第4章 どうしようもなく、求めて
トクントクントクン···。
興奮によりやや早い鼓動と、身体の熱が伝わり私の顔は赤くなっているのが分かる。だって、色々恥ずかしすごい事されたけれど、これはこれで破壊力抜群である。
初めて触れた男の人の身体は、熱かった。
それにー···、シャツの間から覗く綺麗に割た腹筋と、胸、鎖骨と···見事なまでの肉体美にクラりと目眩さえ覚えた。
「正直な所···俺は限界に近い。あんな事をしておいて今更だが、俺から逃げるなら今のうちだ。先程、男の唾液には媚薬の成分が混じっていると言ったが、女を夢中にさせて逃がさない為のものだ。騙しているようにさえ感じる行為に、お前の同意無しで貫くのは気が引ける。ただでさえ俺は魔王と言う立場だ、その意味が分かるだろう?」
「何それ···。散々私の身体を好き勝手に恥ずかしいすごい事しておいて···体だってこんなにグズグズにしておいて、今更逃げろだ?自分勝手過ぎるよ···それに、貴方の唾液飲んじゃった···もう貴方が欲しくて仕方がないの···聞こえるでしょ?···腰を動かすだけで、貴方を求める蜜の音が止まらないの」
言いながら、私はエアデールのスラックスに視線を向ければ、中心にはパンパンに膨れ上がってキツそうに主張しているソレが視界に入った。
「···っ、う。容易に触れ無い方がいい」
固く主張したそれをスラックスの上からさらっと触れると、エアデールが切なさそうに声を上げた。頬が微かに上気して、色香がぶわりと広がった。
心臓が煩い。
あぁ、もう駄目だ。
私も彼も、目の前の欲望の前には抗う事が出来ないんだ。
「···私のナカに、エアデールをください。でも、その代わり···引き返せない分、私を愛して···」