第4章 どうしようもなく、求めて
「1つだけ思い当たる節がある。魔族の男に運命を共にする女が見つかった時、男は運命の女を逃す事が出来ないようにこうして1度抱くのだが、まず初めにキスをしただろう。その時の俺の唾液には、女にとっては媚薬に似た成分が含まれる。それを飲み込んだ為に、お前の体は熱を持ち快感を覚えたのだろう」
「なっ···!」
「忠告しておくが、魔族と人間の女が交わる時に出される唾液は本能的な性により勝手に分泌される物だ。俺にはどうしようも出来ない」
「そんな···」
(どうしよう···、ひどく自分勝手な事を言われてるのに、エアデールを求めてしまっている自分がいる)
「何も求めているのは、お前だけでは無い。俺とてお前を求めている。叶うなら、今すぐにでもお前の中に入れてグチャグチャにかき混ぜたいと思う程だ。···鎖を、解いてやろう。触れてみろ···」
パキンッ!
音を立てて鎖は消えて行った。
自由になった手首は軽くなり、先程までの重さは嘘のよう。そして、エアデールに手を触れられたかと思えば、そのまま掴まれて半裸になったシャツの間から私の手を筋肉質な胸へと触れさせた。