第6章 旅立ちの時
ミーウたちは荷物を確認した後、部屋を出た。部屋を出たところで、ミーウはふと立ち止まった。
「ミーウ?」
「うん、わかってる」
ミーウは部屋を振り返って見た。そして、ゆっくりと口を開いた。
「少しの間だけ、ここを開けることになるけど……」
ミーウは微笑んだ。
「すぐに帰ってくるから、持ち主がいなくても気長に待っててね」
そう言ってから静かに扉を閉めて、ミーウはアユナとミシュラの後を追いかけた。
それから、2人と1匹は長く続く廊下を少し急ぎ気味で歩いていた。
「なんか……おかしいな」
ミシュラは2人に気付かれないように独り言を呟いた。
(誰もいない……)
ーいつもなら、この廊下を使う者がたくさんいるはずなのだが……誰ともすれ違わない。
そう思っているうちに、ミーウたちは城から海に繋がる水路の出口に着いた。
そこには、既に海兵やコック、メイドなど、この城にいる人たちが集まっていた。それを見て、ミーウたちは驚いた。
「何で……」
ーーミーウたちは海賊になることをメアリーとクザンにしか伝えていなかった。
「ミーウ様」
名前を呼んだ声に反応して、ミーウは後ろを振り返った。
「……エミ」
エミはにこりと笑って、ミーウに近付いた。
「エミ、何でここにいるの? それに……みんなも……」
「クザン様から教えていただいたのですよ」
そう言って、また笑った。