第6章 旅立ちの時
キッドとキラーが島を出てから、あっという間に1週間が経った。
ミーウとアユナとミシュラはミーウの部屋で荷物の最終確認をしていた。
「ミーウ、準備できた?」
「忘れ物ないか? ちゃんと確認したか?」
「大丈夫」
ミーウは心配性の1人と1匹に笑顔で答えた。
ーーこの日、ミーウとアユナとミシュラは島を出て……海賊になる。
「よし、行こう」
ミーウは立ち上がって、アユナとミシュラを見た。
「……これからも、たくさん……もっとたっくさん迷惑ばっかりかけるかもしれないけど……」
ミーウは一度、目を伏せて瞼の裏に昔のことを思い出した。ーー大切な人を目の前で失い、救うことができなかったあの日のことを。
「アユナとミシュラはわたしが絶対に守るから」
ー命に代えても、必ず守ってみせるから……。
「ずっと……わたしのそばにいてくれますか?」
アユナとミシュラは驚いた表情を見せた後、ふっと優しく笑った。
「当たり前じゃない」
「何のためにおれらがいるんだ。お前を支えるため、お前を1人にさせないためにおれらはいるんだ」
1人と1匹は真っ直ぐにミーウを見つめた。
「だから、ミーウもわたしたちを頼って。ね?」