第56章 天竜人と8人目の新たな仲間
「信じる……?」
「そう。これから何が起きたとしても、わたしを信じて……身を任せてくれる……?」
「……」
ー真剣な面持ちで自分に聞いてくる少女。彼女を信じてもいいのだろうか……。だけど、この苦痛から逃れられるのかもしれないとしたら……。
「……信じます」
ミーウはそれを聞いて大きく頷いた。
「……いい? やるわよ」
そう言って、ミーウは男の首輪のスイッチを押した。時限爆弾が作動する。
「な!?」
それまで傍観していたキッドが声を上げた。
「ちょっと、ミーウ!?」
ナミも大きな声を上げる。
「ヤベェよ! あれ、爆発するやつだぞ!?」
「おいおい、ミーウちゃん!」
他の麦わらの一味も騒いでいる。
「おい! 爆弾のスイッチが入ったぞ!」
「早く逃げるんだ! おい! 早く立て!」
後ろの席では、他の貴族も騒ぎ始めた。逃げようと立ち上がる人もいる。
「……」
ミーウは会場内の騒がしい声を聞き、ゆっくりと目を瞑った。そして、“覇王色”の覇気を発動させる。ミーウの周りから会場内に強い風が吹く。
「……」
会場内にいた人々は黙って口を噤んだ。何かに圧力をかけられたように体は言うことを聞かない。
「……うるさい」
首輪から目を離さずに、ミーウが口にする。いつもの彼女が口にするとは思えない、とても冷たい声。