第54章 13人の超新星
「おかわり、まだか! さっさと、持って来い!」
先程からたくさんの食べ物を口の中へと入れている女の子はおかわりが来ず、イラついたのか近くに積み重ねていた皿を蹴飛ばした。
「い、今、全力で作っているそうで……船長」
部下が宥めたが、女の子の勢いは止まらない。食べた料理のお皿を後ろの床へと投げた。
「それじゃァ、間に合わねェだろ!?」
自分の近くに置いてある料理を片っ端から手に取り食べていく。
「ピザ、おかわりー!」
彼女は机の上で足をバタバタさせながら、ピザと肉を口の中へと入れた。
ーーこの女の名は、“大喰らい”ジュエリー・ボニー。“南の海”出身。ボニー海賊団船長。懸賞金1億4000万ベリー。
「た……ただ今、お待ちしますので……」
ウェイトレスの男がスパゲティーを持ったまま、ボニーの注文を厨房へと伝えに行こうと後ろを振り向いてそのまま走り出した。しかし……。
「ああっ!」
男は客にぶつかり、尻餅をついた。床に皿とお盆が散らかる。
「も、申し訳ありません!」
男は倒れたまま、上を見上げて客に謝罪した。客のズボンにべっとりとスパゲティーが付いて汚れている。
「……」
スパゲティーが重力に逆えず、床へと落ちる。