第45章 砂の王国“アラバスタ”
「親父、これとこれと……あと、これも頼む」
「あいよ、兄ちゃん! 毎度あり!」
ショウラは調理をするための食材を選んでいる。たくさん買ってくれるショウラに店主はニコニコと嬉しそうに対応している。
「ミーウ、服はどんな物がいいんだ?」
その隣の店ではケイトが敷物の上に置かれた服を広げて見ている。
「砂漠の上を歩いて行くから……あまり肌が露出していない物がいいわね」
ーー砂漠は昼間は暑く、夜は気温が一気に下がる。肌を太陽の光で焼かれて火傷しないためと寒い夜に耐えることができるようにするために、長袖の服を着ることが勧められる。
「これはどうだ? ガラビーヤと言うらしい」
ケイトが手に取ったのは裾の長さがくるぶしまであるワンピースだった。
「ワンピースか……戦う時にちょっと不便よね……」
ーーミーウはいつも、動きにくいからという理由でスカートを履かない。今日はもう戦わないという意思を相手に見せる時のみ、真っ白なワンピースを着るのだ。
「中にタンクトップや短パンを履くこともできるらしいぞ。それなら、服が邪魔にならずに思う存分、戦えるんじゃないか?」
「……確かに……そうね」
ミーウはケイトの説明に相槌をうった。