第42章 知られたくなかったこと
「……ははは」
エースは自分の目を右手で覆った。
「確かにな……そうかもしれねェ……」
エースの頬を一筋の涙が流れた。
「エース……」
「ミーウ」
エースは目から手を離した。
「ありがとな」
「……うん」
ミーウは笑顔で頷いた。
「……ミーウ、少し外に出ていてくれないか?」
「え……?」
ミーウはまばたきをした。
「こいつらと……話したいことがある」
エースはアユナとミシュラの方を見て言った。
「え、アユナとミシュラと?」
「……」
ミーウは隣にいて、黙っているアユナとミシュラを交互に見た。
「いいだろ?」
「わたしはいいけど……」
ミーウはアユナを見た。
「……いいわ」
アユナはエースを真っ直ぐ見据えて言った。
「……じゃあ、終わったら呼んでね。外のみんなと交代してくる」
ミーウはショールの代わりに、長い袖の上着を羽織って部屋の外へと出て行った。
「……」
部屋の扉が閉められ、アユナは扉の方に向けていた目をエースに向けた。
「……話したいことって……何?」
「大体、見当がついてるだろ?」
エースはアユナを睨み付けた。
「お前、あの時いた女だな?」
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