第41章 思い出せない記憶
エースは押しに負けて、指輪を受け取った。
「有り難く、頂くぜ」
老人は満足そうに頷いた。
「おじいさん、本当にありがとうございました」
「ありがとな」
「ああ、気を付けて行きなさいよ」
ミーウとエースはお辞儀をして、お店の扉を開けて外へ出て行った。
「フォッフォッフォッ」
老人は2人がお店に入ってくるまで座っていたロッキングチェアに座った。そして、近くの机に置いていた新聞に手を伸ばした。新聞の間には、『WANTED DEAD OR ALIVE』という文字が書かれた手配書が挟まっていた。
「キルリレ・ミーウ、ポートガス・D・エース……」
老人はにこりと笑った。
「若い海賊たちか……良いな……」
ロッキングチェアを揺らしながら、老人は目を閉じた。ーー浮かんで来るのは昔の自分の姿。
「若いというのは……良いものじゃな……。これからが楽しみじゃわい。フォッフォッフォッ」
老人は再び、声を上げて笑った
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