第41章 思い出せない記憶
ミーウたちは島の港に着いた。
「なあ」
エースがミーウに後ろから声をかけた。それを受けて、ミーウは振り返る。
「この島のログは何時間なんだ?」
「えっとね……」
ミーウは腕に身に付けている〈記録指針〉を見た。
「4時間くらいかな? 今が14時だから、18時には溜まるわね。でも、それだと夜にこの島を出発することになるから……今日は泊まりになるかな?」
「そうか」
ミーウの言葉にエースはニカッと笑った。
「そんなに急いでないってことだな?」
「ええ」
「それじゃあ……」
エースはそれだけ確認すると、ミーウを抱き上げた。
「え!? エース!?」
「ちょっとの間だけ、こいつ借りるぞ」
後ろで作業をしていた水神海賊団の面々にそれだけ伝えると、エースはミーウをお姫様抱っこしたまま船から飛び降りた。
「ちょっと!? エース!?」
着地したと同時に走り出したエースをミーウは止めようとした。
「エース! おい、待て!」
「ミーウ!」
船の上から、アユナやスレイジが叫んでいる。しかし、それを全く気にしていないエースはそのまま走り続けている。
「いいじゃねェか。せっかく会えたんだ。少しくらい、おれに付き合えよ」