第41章 思い出せない記憶
途中までエースも一緒にいることが決まってから、水神海賊団は宴会を再開した。
「ふー、お腹いっぱい」
「あァ、美味かった。ご馳走様でした」
椅子の背にもたれてお腹をさすっているミーウの隣で、エースはアユナとショウラにぺこりと頭を下げた。
「あァ」
「お粗末様です」
アユナもショウラも礼儀正しいエースに対して、にこりと微笑んだ。
「……ショウラが笑うなんてな」
「何だ、文句あるのか?」
「いや……」
仲間になったばかりのショウラは少しだけ口調が厳しく、顔も険しいことが多い。そんな彼が穏やかに笑ったのが、ケイトには少し意外だったのだ。
「ミーウ!」
そこへ、舵を取っていたクユンがミーウの名前を呼んだ。
「前に島が見えるぞ!」
その声を聞いて、ミーウは膨らんだお腹をさすりながら立ち上がった。そして、歩いて船のデッキの前まで行った。
「あれが次の島ね」
白い壁に青い屋根の建物が立ち並ぶ島を見て、ミーウは微笑んだ。
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