第2章 幼き日の約束
「ミーウ様! アユナ様!」
「あの2人、どこに行ったんだ?」
「さっきまで中庭で遊んでいたのに……」
「探せ! クザン大将と女王陛下に怒られてしまうぞ!」
ミーウとアユナがいなくなってしまい、2人の見張りをしている数人の海兵たちは必死に広い中庭を探し回っている。
そこへ、後ろから背が高くて細い影が近付いた。
「どうした?」
「クザン大将!?」
その影は海軍大将の1人、“青雉”ことクザンであった。海兵たちはクザンを前にして、顔を青ざめて焦りを見せた。
「えーとですね……実は、ミーウ様とアユナ様のお姿が見当たらなくなってしまい……」
恐らく、その海兵たちの中で1番位が上であろう者が正直に現状を報告する。他の者は怯えて萎縮している。皆、怒られることを覚悟していた。
「ああ、そんなことか。ミーウとアユナなら、あっちに行ったが……」
そんな海兵たちとは対照的にクザンは怒らず、普段通りの飄々とした言い方で中庭の奥を指で差した。
「あ、あちらですね! よし、行くぞ!」
海兵たちは嬉々としてミーウとアユナの名前を呼びながら、クザンの指した中庭の奥へと行ってしまった。
クザンはそんな海兵たちの様子を見て頭を掻いた。