第40章 突然現れた炎の男
その言葉を聞いて、アユナは笑った。
「わたしもさっき、同じことを思ったわ」
「そうか」
ケイトとアユナは顔を見合わせて笑い合った。
「おい、先に食べてていいぞ」
再び料理を運びに来たショウラが声をかけた。
「主役がいないのに食べれないわよ」
ミーウは腰に手を当てた。
「主役って……おれはコックだ。冷める前に料理を食べてほしい」
「気持ちはわかるけど、元々ショウラの歓迎会なのよ? ショウラが食べないのに、わたしたちだけ食べるわけにはいかないわ」
ミーウとショウラはお互いを見つめ合ったまま、一歩も引かない。
「ぼくが運びます」
そこに、ジウがショウラの後ろから首を出して言った。
「そんなことさせられない。1人で……」
「1人でも大丈夫ですよ」
ジウは笑って言った。
「だから、船長のお願いを聞いてあげてください」
「……」
ショウラは黙ってしまった。
「ジウ、ありがとう! さあ、ショウラ!」
ミーウはショウラの手を引いた。
「おい!」
そして、そのまま椅子に座らせた。
「あいつは……」
「冷める前に食べろって言ったのはショウラでしょ?」
「……」
(無茶苦茶だ)
ショウラは心の中でそう思った。