第37章 〈偉大なる航路〉
嵐が吹き荒れる中、水神海賊団の面々は甲板に出ていた。
「見えた!」
視界が見えにくくなっている中で、ミーウは微かな灯りを見つけた。ーー“導きの灯”だ。
「見ろ!」
スレイジが何かを見つけて指を差した。そこには、山があった。そして、巨大な天空までそそぎ立つ大陸もあった。
「……〈赤い土の大陸〉と……あれが……」
ー“リヴァース・マウンテン”……。
「ミーウ!」
ミーウはケイトに呼ばれた。そして、ケイトが指を差した方を見た。
「……あれは……」
ー海が山を登っていく、運河の入り口。
「クユン!」
ミーウは舵を取っていたクユンの名前を呼んだ。
「何だ!?」
「今から運河に入る! わたしが指示した方に傾けて!」
「わかった! 任せろ!」
ミーウは船首に乗った。ーーここから先は、一瞬の油断が命取りとなる。
「クユン! もう少し右に!」
「おう!」
クユンは舵を右側に回した。船が右に傾く。ーー船は運河に乗った。そのまま、一気に山を駆け登る。
「入った!」
ミーウたちは叫んだ。
それと同時に、頂上で海流がぶつかった。その瞬間、船は空へ打ち上げられた。
「うわっ!?」
「みんな! しっかり掴まって!」
ミーウは叫んだ。ーーあとは一気に下るだけ。