第32章 戦いの果てに
ミーウはキッドに呼ばれ、顔を上げた。
「何?」
「……最後に……おれのとっておきの技を見せてやるよ」
キッドは不敵に笑った。
「……」
ミーウはそれを聞いて、目を細めた。
「……とっておき?」
「そうだ」
キッドは金属の塊が付いた両腕をミーウに向けた。キッドの太くてたくましい腕から、次々と金属が移動して1つの大きな弾丸のようになった。
「……」
ースゴい……。
「こいつを喰らって……起き上がった奴はいねェ」
「へェ……」
ミーウは口の端を上げて笑った。
「……そうか。なら、わたしも……わたしのとっておきの技を見せようかな」
そう言うと、ミーウは空に向かって、高々と右腕を上げた。
「氷竜」
ミーウは静かに呟いた。すると、氷の竜が出現して、細くて白いミーウの腕に巻き付いた。そして、小さかった竜が段々大きくなって、ミーウの腕を離れて体へと巻き付いた。
「……それが、お前のとっておきか?」
「そうよ」
ミーウはいたずらっぽく笑った。
「……キッド、これで最後にしようか。あんただって、もうそろそろ限界なはずだよ」
「……そうだな」
キッドは笑った。
「この一撃で決めてやるぜ! 行くぞ! ミーウ!」