• テキストサイズ

【ONE PIECE】罪を抱く紅い目をした白き竜

第4章 すれ違う心


「……え?」

 アユナは固まった。ーー8年前のあの日、確かにアユナたち4人は海賊になって、海に出ようと誓い合った。でも……それはあくまで“4人”でだ。では……。

「わたしとミーウは……?」

 アユナはキラーを見た。真っ直ぐな黒い瞳で。
 キラーもアユナを見返した。仮面越しに。

「これからおれがする話を……しっかり聞いてほしい」

(わかってほしい)

 キラーは祈るような気持ちでそう思っていた。ーーキラーはアユナのことが好きだった。誰よりも優しくて、誰よりも思いやりがあって……自分よりもずっと年下なのに、大人っぽい彼女が。だが、アユナは自分に想いを寄せてはいないだろう。自分は今まで、誇れるような生き方をしていない。アユナには……とてもじゃないが釣り合わない。キラーはそうも思っていた。
 そんなことを頭の中で思いながら、口では別のことを言う。

「海賊の旅は……お前もわかっているだろう? とても危険だ。だから、アユナ……お前たちを旅に連れて行くわけにはいかない。もしもの時……おれやキッドが守れない可能性だって、否定できない……」

 キラーはアユナを真っ直ぐ見つめようと思ったが、途中からできなくなってしまった。ーー彼女の瞳に涙が溜まっていたからだ。
 
/ 671ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp