第32章 戦いの果てに
時は少し遡って、アユナは未だに戦っている仲間たちを見ていた。
「クオォォォォ!」
「え……」
(今の鳴き声は……)
「ケイト?」
アユナは“見聞色”の覇気を発動させた。
「……ケイト……」
覇気でケイトの異変に気付いたアユナは走ってケイトの元へ向かった。
「……ケイト!」
そこには、スフィンクスになったケイトとそのケイトに飛ばされているワイヤーがいた。
ドゴーン!!
大きな音がして、土煙が舞い上がった。
「っ!」
(土煙が……)
「……波流壁!」
アユナは能力を使って、水の壁を作った。壁は町の建物と自分を覆った。
少し経って、土煙がおさまったので、水の壁を解除した。
「え……」
アユナはケイトがワイヤーの右肩を押さえ、今にもワイヤーを殺そうとして腕を上げているのを見た。
「ケイト! 止めて!」
その瞬間、アユナはただ夢中になって叫んだ。
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