第31章 再会と敵
ケイトはワイヤーと戦っていたが、だいぶ息が上がってしまっていた。
「ハァ、ハァ……」
一時的に後ろに下がって息を整えようとしても、ワイヤーがすぐに攻撃を仕掛けて来るため、思うような休憩ができずにいた。ーーそのため、かなりイライラしていた。
「……っ! クソッ!」
ケイトは地面を蹴り、筆架叉で攻撃した。しかし、ワイヤーの剣によって軽く受け止められてしまう。
「……動きも早くて、女にしては申し分ないくらい強いが……」
ワイヤーはケイトの攻撃を受け止めながら、ニヤリと笑って言った。
「まだまだだな」
その言葉を聞いた途端、ケイトが今まで保っていた自分の中の理性の糸が切れた。
「今……何て言った?」
ケイトはワイヤーに尋ねた。
「あァ?」
「今、何と言ったかと聞いたんだが……」
ケイトの瞳の色が黒曜石のような黒から金色に変わった。
「……まだまだだ、と言ったが?」
「……ほう?」
ケイトは口の端を上げて笑った。
「その言葉、言ったことを後悔させてやる」
ケイトの体が風に包まれた。
「っ! 何をする気だ!?」
ワイヤーは顔の前で手をクロスにさせて構えた。
風が止むと、そこには金色の目をした黒い1匹のスフィンクスがいた。
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