第31章 再会と敵
カキーン!
カッカッカキーン!!
ケイトはワイヤーと戦っていた。
ケイトは2本の筆架叉で戦っていた。対するワイヤーは1本の剣のみだ。
ワイヤーが剣を振り上げた。それをケイトは筆架叉を2本使って、やっとのことで食い止める。ーーケイトは海賊だが、女性のため、一般の男性よりは力があるものの、海賊や盗賊の男たちよりは力がない。
(わたしが……)
ーわたしが男だったら……。
(こんな奴に力で負けることなんかないのに……)
ケイトとワイヤーはお互いに距離を取った。
「さすが、あのキルリレ・ミーウが率いている水神海賊団にいるだけあって、手配書で見たことがない女でも強いんだな」
「わたしはここに入ったばかりの新入りでね。ミーウに惚れ込んでここにいる」
ケイトはふっと緩く微笑んだ。
それを聞いて、ワイヤーは驚いた顔をした。
「そうなのか」
ワイヤーはケイトを見た。
「……お前、名は?」
ケイトは目を細めた。
「チェリミーだ」
ワイヤーは怪訝そうな顔をした。
「……チェリミー……?」
ー……そんな風に呼ばれていたか?
「……」
ワイヤーは目を細めた。
「……それは……お前の名前か? チェリミー」