第31章 再会と敵
一方、トーダはヒートと対峙していた。トーダとヒートは炎を使って戦うので、2人が戦っている場所だけヤケに暑かった。
「火龍!」
トーダは炎の龍を召喚した。
「くらえ!!」
トーダの火龍はヒートに当たるはずだったが……。
グワァァァァァ
炎の音とともに、火龍は消えた。ーーヒートが口から炎を出して、火龍を消してしまったのだ。ーー相殺という言葉を使うのが正しいかもしれない。
「チッ」
トーダは舌打ちをした。
ー相手は……ヒートは自分と同じ能力者なのだろうか?
ーートーダは悪魔の実能力者以外で、炎を扱う人間を見たことがない。だが、目の前にいる男は口から炎を出して、自分と互角に戦っている。
「噂には聞いていたが……本当に謎が多い奴だな……。だが、戦闘については噂通りらしい……」
トーダはヒートを見た。
「お前もな。レフィル」
トーダは目を細めた。
(もうそろそろ、本気を出すか)
次の瞬間、トーダの体を炎が包み込んだ。
「?」
ヒートは眉間に皺を寄せた。
(何をするつもりだ?)
ヒートがそう思った矢先、炎が弾けた。
「!」
ヒートは顔の前で腕を交差させて顔を隠した。
「さて、そろそろ本気でやらせてもらうぜ」
腕を退けるとそこにいたのは、伝説の珍獣グリフォンだった。