第31章 再会と敵
スレイジはキッドを見た。
「あいつは何者なんだ? あいつはいったい……お前の何なんだ?」
ーミーウの大切な奴なのか?
「前に話していた奴か?」
スレイジの心の中には何か……モヤモヤとした黒い物ができていた。
ミーウはキッドを見つめた。そして、静かに答えた。
「キッドは……」
ーキッドはわたしの……。
「わたしの……友達よ」
「……」
ー友達……。
「……そうか」
スレイジはキッドを睨んだ。
「じゃァ、何でミーウに攻撃したんだ? あいつは。友達だったら、普通攻撃しねェだろ?」
「……わたしとキッドが海賊だから」
ミーウはスレイジの前に出た。
「……ミーウ?」
スレイジは自分の前に出たミーウを怪訝そうに見た。
「キッド」
ミーウはそんなスレイジにはお構いなく、キッドの名前を呼んだ。
「今、思い出したよ……。わたしが何で航海を始めたのか」
ー足手まといって言ったことを後悔させてやるから!
ミーウの周りを覇気が包み込んだ。
「あんたを……倒すためだったね!」
ミーウの覇気が風となって、辺りに吹き荒れた。
「アユナ、いる?」
「……いるよ」
アユナが後ろからゆっくりと歩いて来た。ーーとても辛そうな顔をして……。