第16章 船の思い出
ーー北の海へ出発する日。
「ミーウ、準備はできた?」
「はい!」
「よし、じゃあ行きましょうか」
シェルミーはミーウに微笑んで、手を差し出した。ミーウは自分の祖母の手を握った。そして、用意された船へと乗り込む。ーーミーウたちが海に出る時にメアリーから貰った船だ。
「メアリー、留守をお願いね。クザン、メアリーをお願い」
「はい、お母様」
「お任せください」
シェルミーは船の下にいるメアリーとクザンを見た。2人はシェルミーに頷いた。
「ミルウィート、準備はできた?」
「はい、シェルミー様」
海兵がシェルミーに敬礼をする。シェルミーはそれを見て頷いた。
「帆を張って! 出航よ!」
「はい!」
船に乗り込んだ海兵たちは一斉に返事をした。そして、帆を張り船を前へと進めた。
「お母様ー! クザンー! 行って来まーす!」
「行ってらしゃい! ミーウ!」
ミーウはメアリーとクザンに大きく手を振った。
+