第15章 船大工を探せ
「……リモデル?」
ミーウはクユンの言葉を繰り返して、首を傾げた。
「そうだ」
クユンは頷いた。
「家で言うと、リフォームみたいなものだ。船に張り巡らせている木の板を1枚ずつ剥がして、船の骨組みを新しい木材で補強する。それに加えて、船を大きくするために骨組みを増やして繋げながら、船を少しずつ増幅させていく。それが終わったら、新しい木材を丁寧に張っていく」
「……」
ミーウは説明しているクユンの瞳をじっと見つめる。
「上手くいくかどうかはわからない。それ以前に、船の木材がボロボロだったら、木材を剥がす作業をしている途中で船自体が崩れてしまうかもしれない」
ー上手くいく可能性は五分五分。船の頑張り次第だ。
「どうする? 決めるのはお前だ」
「……」
ミーウは黙ったまま、クユンの目を真っ直ぐ見つめる。
「……もし、船が崩壊したら……」
「その時は、おれが船を新しく作るしかないな。壊れた物は元には戻せない」
「……」
ミーウは顎に手を当てる。
(考えていても、答えは1つか……)
ー島に住んでいるほとんど全ての船大工が無理だと言ったことを、この男だけが打開策を提案した。今のところ、その案に乗るしか方法はない。