第15章 船大工を探せ
ミーウはクユンを連れて、自分たちの船を止めている東の海岸に向かった。
「あ、ミーウ!」
ミーウに気付いたアユナが手を振った。
「アユナ、ただいま」
「おかえりなさい。後ろの男の人は?」
アユナはミーウの後ろにいた大きい男を見上げた。
「おれはテディウム・クユン。この島で船大工をしているんだ。よろしくな」
クユンはそう言って、アユナに握手を求めた。
「そうなんですね。はじめまして、アユナと言います」
アユナは差し出された手を握った。
「おう! それで……」
クユンは船を見上げた。
「これがお前らの船か? 立派な船だな。高そうだ」
ギクッ
「そ、そうですか?」
ミーウは隣にいるクユンを見た。
(この人……)
ー船を見る目は確かにあるのかもしれない。
ーーミーウたちの乗ってきた船は天竜人の持ち物だ。造設費用はそれなりにかかっていると考えられる。
「……」
「じゃあ、船の状態を見たいんだが……中に入っていいか?」
「はい」
ミーウは頷いた。
「ありがとな。あ、それから……」
クユンは優しく笑った。
「敬語で話さなくてもいいぞ」
「え……」
ミーウは驚いた顔をした。
「でも……」
「お前らはおれの客なんだし、それに……」