第14章 君の温もり
「……ミーウ」
スレイジは落ち込んでいるミーウに声をかけた。
「あとどれくらいで次の島に着くんだ?」
「……もうすぐのはずなんだけど……明日には着くかな?」
ミーウはひびを見ながら答えた。
「そうか」
スレイジは少し考えてから言った。
「んじゃァ、今日は申し分程度に修理して、その島で船大工に頼めばいいんじゃねェか? 船長」
スレイジの提案に、ミーウはスレイジを振り返った。
「……誰が仮修理をするの?」
「おれがやる」
スレイジは笑った。
「島でもよく船とかの仮修理をやってたしな」
それを聞いて、ミーウは嬉しそうに笑った。
「そうなの? だったら、早く言ってよー! そしたら、こんなに深刻にならなくてもよかったじゃない」
ミーウはニコニコと笑っている。
スレイジはそれを見て、顔を背けた。
(そんな顔すんなよ)
ー自分の気持ちが抑えられなくなるだろうが。
スレイジはミーウのオデコを小突いた。
「痛い! 何すんの!」
ミーウはオデコを擦りながら、文句を言った。
「いつまで笑ってんだよ。バーカ」
「なっ、誰が馬鹿よ!」
ミーウはスレイジを睨んだ。
「馬鹿は馬鹿だろ。バーカ」