第11章 悪夢、再来
「船長! 命令通り、島に着きやした! ここからどうしやすか?」
“雷島”の海辺に乗り上げた船の上で、1人の男が刀を腰に携えている大柄な男を見た。
「とりあえず……全員、船から降りろ。それから、“あれ”を担げ」
「分かりやした」
男は頷いて、他の船員たちに指示を出し始めた。
「久し振りだな……。2年振りか?」
大柄な男はゴキッゴキッと音を立てて、首を左右に傾ける。そして、ニヤリと口角を上げた。
「今回こそは……降伏させて、ここをおれの拠点の1つにするか」
男は船の甲板から、軽々と飛び上がって浜辺へと着地した。
「行くぞ、野郎共」
「おー!」
船員たちは背中に何やら装置を背負い、掃除機のような形の物を掲げた。
「待て」
男たちが歩き出そうとすると、呼び止める声がどこからか聞こえた。声のした方を見ると、森の入り口にスレイジが立っている。
「お前らの好きにはさせない。ここから先には、命に変えても行かせねェ」
「……ふん」
大柄な男はスレイジを見て鼻で笑った。
「何だ? お前。おれのことを知らねェのか?」
「……知ってる」
スレイジは大柄な男を睨み付けた。
「……ギガンダ・オルド。オルド海賊団の船長で……懸賞金1800万ベリーの賞金首……」